墺エンジニアリング会社のアンドリッツによる独プレス大手シューラーの買収計画にあらたな横槍が入った。米ヘッジファンドのエリオット・インターナショナルがシューラーの発行済み株式を市場で買い進め、18日時点で10.1%を取得したためだ。エリオットはアンドリッツによる株式の買収提示価格を「低すぎる」としており、提示価格を引き上げるか完全子会社化を断念するかの選択を迫られている。
\アンドリッツは5月、シューラー創業者からシューラーの株式の38.5%を1株当たり20ユーロで買収し、これまでの保有分(24.99%)と合わせて63.49%を取得した。同社は来月(7月)、少数株主に1株当たり20ユーロでの買収提案を行い完全子会社化する方針だったが、エリオットが10%超を保有したことでスクイーズアウト(少数株主からの株式強制買い上げ。筆頭株主が90%以上の株式を保有すると実施可能)の道が閉ざされた。
\アンドリッツは買収価格の引き上げをこれまでのところ拒否しており、エリオットが今後、シューラーの少数株主として経営に影響力を行使するのは確実な情勢だ。
\