トラックの空力性能改善に向けた研究をドイツ航空宇宙研究センター(DLR)が進めている。路上を試験走行するトラックの後部からレーザー光を照射して空気の流れを可視化し、空気抵抗がより少ないトラックのデザインや装備の開発に役立てるのが狙い。
\トラックは従来、空力性能より積載重量を重視して設計されていたが、燃料費高騰などを背景に形状の最適化に向けた技術に関心が集まっている。ただ、安全基準上の理由から寸法などの規制が厳しく、自由に車体のデザインを変更できない問題がある。DLRの研究チームはこうした事情を踏まえ、トラックが走行する際の気流を実際に観察し、コンピューターシミュレーションのデータと突き合わせることで、空気抵抗を軽減するデザインやパーツを開発している。
\測定ではDLR空気力学・流体技術研究所が開発したレーザー測定システムをトラックに搭載し、トラック後方に取り付けた高性能センサーでデータを取り込む。これまでの測定から、車体下面にディフューザーに似たパネルを取り付けることで荷物室後方に発生する気圧低下が軽減できることが分かっており、チームは寸法や装備の位置などの条件を様々に変えて理想のデザインを探っている。
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