仏タイヤ大手のミシュランは19日、2015年までの成長戦略や業績予想を発表した。中核となる3つの戦略として、◇高級タイヤの生産拡大◇特殊タイヤで主導的な地位を確立◇新興市場における生産拡大を中心とする事業の国際化――を掲げている。同戦略の実現に向け2012～2015年の投資額は総額で16億～22億ユーロを見込んでいる。また、2015年の営業利益は29億ユーロを予想している。
\高級タイヤ（17インチ以上）の生産能力は2012～2015年の間に約70％拡大する計画。特殊部門（建機、航空機など）では、米サウスカロライナ州にあるレキシントン工場で鉱山機械用タイヤの生産を拡大するほか、同州のアンダーソンに7億5,000万米ドルを投資して新工場を建設する計画を進めている。また、生産能力拡大に向けた投資のうち約60％を新興国に投資する方針を示している。さらに、技術力を強化するために2015年までに約5億5,000万ユーロを材料分野に投資する計画も明らかにした。
\ \■ 2012年は減収も大幅な増益を予想
\ \2012年通期の見通しについては、欧州の自動車販売市場の低迷が響き、3～5％の減収を見込む一方、営業利益は原料が値下がりした効果で大幅な増益を予想している。同社の2012年上半期（1～6月）決算の営業利益は前年同期比36％増の13億2,000万ユーロに拡大した。
\また、2014年からタイヤ市場は4～5％の成長を取り戻すとの予想も示した。同社では、市場成長と同水準の販売成長を目指すとしている。
\
