独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は、2015年にも新ブランドから低価格車を発売することを検討しているもようだ。独『アウト・ビルト』紙が報じた。同紙によると、新ブランドは仏ルノーのルーマニア子会社で低価格車を販売するダチアのモデルと競合することになる。
\VWは同報道に関するメディアの取材に対し、「新たなセグメントや新市場への参入は常に模索している」としたうえで、「検討はしているが、決定はしていない」と強調した。
\『アウト・ビルト』紙によると、VWは新ブランドから2015年にセダン、ステーションワゴン、ミニバンの3モデルを発売する方向で検討しており、価格は6,000~8,000ユーロとなる見通し。中国やインドで生産したこれらのモデルを欧州市場に投入する可能性もあるという。
\独デュースブルク・エッセン大学自動車リサーチセンター(CAR)のフェルディナンド・ドゥーデンヘファー所長は独経済紙『ハンデルスブラット』に対し、低価格車の需要は今後さらに高まるとの見解を示す。理由として、◇販売モデルの多様化が進んでいる◇欧州では低価格帯で現代自動車のような新たなメーカーが進出してきている◇南欧諸国の財政危機を背景に、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャでは今後5年間で国民1人当たりの所得が低くなる見通しのため、低価格モデルに対する需要が高まる◇インド、ロシア、南アメリカ、中国などのアジア諸国といった新興市場で需要がある――の4点を挙げている。
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