スイス化学大手のクラリアントはハイブリッド車や電気自動車向けのリチウムイオン電池の新材料の研究開発・生産技術に注力している。
\独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、同社は昨年、カナダのケベックにリチウムイオン電池の正極材料であるリン酸鉄リチウムの工場を稼働させた。投資規模は8,000万ドルで、生産能力は年2,500トン。同紙によると、差し当たり生産能力が上限に達する程の需要は今のところないという。
\ただ、独化学大手のBASFもリン酸鉄リチウムに関心を示しており、同社は昨年3月、クラリアントの子会社であるLiFePO4+Cライセンシング(ムッテンツ、スイス)とリン酸鉄リチウムの世界生産・販売でライセンス契約したと発表した。
\また、『オートモビルボッヘ』紙によると、クラリアントは次世代の正極材としてマグネシウムと鉄をベースにしたスピネル構造の材料を開発している。さらに負極材料では、チタン酸リチウムを使用した材料を開発中で、2013年にも最初のパイロット生産を開始できる見通しという。
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