ロシア政府が国内自動車メーカーに高級車ブランドの設立を働きかけている。同国の高級車市場で圧倒的シェアを誇るメルセデス・ベンツやBMWなど西欧のプレミアムブランドに対抗できる国産高級車を投入したい考えだが、メーカー側の反応は消極的だ。
\14日発行の『オートモーティブ・ニュース・ヨーロッパ』が、ロシア政府系新聞『ロシスカヤ・ガゼタ』の報道を引用して伝えたところによると、マントゥロフ産業貿易相は先ごろ、ジル、マルシャ・モーターズ、GAZの自動車メーカー3社に対し高級車ブランドの立ち上げを提案したことを明らかにした。ジルは政府要人向け車両の生産を手がけていることで知られるが、産業貿易相は、自動車メーカーはより広い顧客層をターゲットとした高級車を生産すべきだとの考えを示した。
\こうした政府の要請に対し、自動車メーカーは積極的とは言いがたい姿勢を見せている。ジルの広報担当者は取材に対し、当面は要人向け車両の生産に専念する考えを示す一方で、市場で需要があれば高級車の生産を検討すると述べた。また、マルシャ・モーターズは「提案を検討中」とのみコメントし、GAZはコメントを拒否した。
\ロシアでは高級車市場が急速に拡大している。欧州ビジネス協会のまとめによると、昨年はBMWが前年比33％増の3万7,515台、メルセデス・ベンツが29％増の3万7,436台、アウディが44％増の3万3,512台をそれぞれ販売した。
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