独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の商用車部門(VWN)の責任者に新たに就任したエックハルト・ショルツ氏は独経済紙『ハンデルスブラット』とのインタビューの中で、欧州域外の事業を強化する方針を明らかにした。同氏は「我々は過去数年、事業の国際化をなおざりにしてきた。欧州市場では強いが、中国や米国市場では我々はいないも同然だ」と述べ、後れを取り戻す必要性を強調した。
\国際化戦略の要となるモデルとしてショルツ氏は、デリバリーバン「クラフター」の新モデルを挙げた。クラフターはVWNとメルセデス・ベンツが共同開発したもので、メルセデス・ベンツの「スプリンター」と技術仕様はほとんど変わらない。組み立てもスプリンターを製造するメルセデスの工場が担当している。
\メルセデスとの生産提携は16年で切れることから、VWNは独自の後継モデルを開発し、攻勢をかけたい考えだ。ただ、クラフターの現行モデルは2012年に4万9,200台を生産したに過ぎず、独自で生産ラインを持っても採算が合わない。このため、米国や中国市場で販売を伸ばし、自前で生産できる規模にまでもっていくことが当面の課題となる。
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