旧東ドイツの国民車「トラバント(Trabant)」のメーカーで現在は自動車部品を製造するザクセンリンク・アオトモビルテヒニック(Sachsenring Automobiltechnik)が5月中旬までに会社更生手続きの適用を裁判所に申請していたことが明らかになった。同社の管財人の広報担当者が17日、地方紙『フライエ・プレッセ』の報道を追認。事業を継続し再建するための措置であると説明している。
\同社は1958年の設立。1990年の東西ドイツ統一後に整理解体されたが、1993年にリッティンゲンハウス兄弟に買収され、部品メーカーとして再出発した。しかし、2002年に経営破たんし、2006年には現在の親会社であるライプツィガーHQMグループの傘下に入った。現在の従業員数は290人(うち派遣社員50人)。独フォルクスワーゲン(VW)がツヴィッカウ工場で生産する「ゴルフ」や「パサート」およびその他の欧州自動車メーカーに車台や車体部品を供給している。
\同社の前身である旧東ドイツの国営企業VEBザクセンリンクは「トラビ」の愛称で親しまれた小型乗用車を生産していた。1958年~1991年4月末までに累計で306万9,099台を生産した。
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