独自動車大手のダイムラーと独化学大手のエボニックは、リチウムイオン電池セルの合弁会社リテック(Li-Tec)の今後について、売却も視野に入れた検討を進めているもようだ。10日付けの『ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ、ドイツ版)』紙が報じた。
\リテックは独東部のカーメンツに工場を持つ。同工場で生産したセルは、ダイムラーがフランスのハンバッハ工場で生産する電気自動車「スマート・フォーツー・エレクトリック・ドライブ」に搭載されている。
\リテックではシステムインテグレーターなどの新たな提携先を探していたほか、製品を外販することも検討していた。しかし、電気自動車市場は当初予想したほど伸びておらず、WSJによると、新たな提携先も見つからないため、両社は売却も検討しており、具体的には最大で約10億ユーロの売却益を見込んでいるという。リテックには、エボニックが50.1%、ダイムラーが残りを出資している。
\独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、ダイムラーの広報担当者はメディアの問い合わせに対し、「(電気自動車の販売が伸びないという)厳しい世界市場でリテックの事業を長期的に安定させるため、様々なオプションを検討している」と説明。その上で、まだ最終決定はしていない、とコメントした。また、エボニックの広報担当者は、「新たな提携先を含め様々な戦略オプションを検討している」と説明するにとどめている。
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