カーエアコン用の新冷媒「1234yf」のメーカーである米デュポンは、同冷媒の安全性を巡る議論について、欧州連合(EU)や自動車メーカーに最終的な結論を出すよう要請している。同社の化学・フッ素製品事業を担当するティエリー・ファンランケル氏は独『オートモビルボッヘ』紙に対し、議論が始まってから約10カ月も過ぎており、自動車メーカーにはどの冷媒をいつ採用するかを具体的に決めてほしい、と語るとともに、EUにもどのように規制を順守させる方針であるか立場を固めてほしいとの見解を示した。
\また、さまざまな方面で安全性試験が改めて実施されていることについては、いずれの試験においても結果を支持する人と支持しない人がいる、との懸念を示すとともに、ドイツでの議論は事実に対するものではなく、感情的な要素が強くなっている、と批判した。
\独『Auto Bild』誌が業界筋から得た情報によると、ドイツ連邦陸運局(KBA)は7月から2段階に分けてカーエアコン用の新冷媒「1234yf」の安全性試験を実施する。最初は、さまざまな車両の衝突試験を実施し、どの場所で冷媒が漏れる可能性があるかを特定する。その後、破損が確認された同じタイプの車両を分析し、発火の危険があるかどうかを調査する方針であるという。
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