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2013/6/21

企業情報 - 部品メーカー

独ボッシュ、高性能蓄電池の開発でGSユアサ、三菱商事と提携

この記事の要約

独自動車部品大手のボッシュとGSユアサ(本社:京都)、三菱商事(本社:東京)の3社は20日、次世代の高性能リチウムイオン電池の開発で提携すると発表した。エネルギー容量を大幅に引き上げ、蓄電池の軽量・小型化を進める計画。ド […]

独自動車部品大手のボッシュとGSユアサ(本社:京都)、三菱商事(本社:東京)の3社は20日、次世代の高性能リチウムイオン電池の開発で提携すると発表した。エネルギー容量を大幅に引き上げ、蓄電池の軽量・小型化を進める計画。ドイツのシュツットガルトに研究開発の合弁会社を設立する。

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新合弁会社の出資比率は、ボッシュが50%、GSユアサと三菱商事はそれぞれ25%とし、出資比率に応じて監査役会と取締役会に各社が役員を派遣する。新合弁会社は、カルテル当局の認可を得て、2014年初めに事業を開始する予定。共同研究開発のほか、販売やマーケティンで親会社をサポートする役割も担うという。

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リチウムイオン電池は電気自動車やハイブリッド車の基幹部品であり、エネルギー容量の拡大により、従来に比べ軽量・小型の蓄電池で走行距離を延伸することができる。

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ボッシュは生産プロセス、品質管理のほか、電池パック、電池制御システムの分野を得意としており、合弁会社ではバッテリーシステムやバッテリーマネジメント、リチウムイオン電池と車両全体の調整に関する技術開発に重点を置く方針。GSユアサは原材料・電気化学の研究開発やリチウムイオン電池の生産・供給における豊富な経験を今回の提携に生かしていく。三菱商事は総合商社としてのグローバルなネットワークやノウハウを活かし、リチウムや関連材料の調達などで協力する方針であるという。

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■ ボッシュ、2018年頃に欧州工場の建設も視野

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独業界紙『オートモビルボッヘ』(20日付け、電子版)によると、ボッシュはリチウムイオン電池の開発だけでなく、生産技術や原材料の調達体制の改善により電池のコスト削減に取り組む方針。これらの取り組みが成功した場合、2018年頃に欧州に工場を建設することを視野に入れているという。

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また、電気自動車やハイブリッド車、プラグインハイブリッド車などの電気駆動システム搭載車では2020年頃に需要が本格的に拡大するとの見通しから、ボッシュは現時点では時間的に大きなプレッシャーは感じていないと報じている。

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ボッシュはリチウムイオン電池の分野では、韓国サムスンの子会社であるサムスンSDIと合弁会社SBリモーティブを設立したが、2012年に合弁事業を解消した経緯がある。『オートモビルボッヘ』紙によると、同合弁会社を通して受注したバッテリーの供給・開発活動は今後も継続するという。具体的には、ボッシュは米国工場からフィアットの電気自動車「500e」にリチウムイオン電池を供給しているほか、ドイツのバンベルク工場ではポルシェが近く発売する予定の「パナメーラ・プラグインハイブリッド」にバッテリーを供給することになっている。

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