独自動車大手のダイムラーは12日、極めて軽量な内装トリム部品(ドアなどの内張り)の新たな生産技術を開発したと発表した。プレス加工と射出成形を組み合わせた技術で「KIS技術」と名付けている。最大50%の軽量化が可能なうえ、生産工程で発生する二酸化炭素(CO2)や生産コストを削減できる利点もある。現時点では、同技術に匹敵する量産化技術がないことから、数年後にはKIS技術が同社の内装トリム部品の標準仕様になるとの見通しを示している。
\プレス加工では部品の軽量化が可能である一方、射出成形では補強用のリブにより必要な安定性と強度を確保でき、デザインの自由度も高まる利点がある。生産工程では、熱可塑性繊維と強化繊維によるハイブリッド不織布を担体とし、プレス加工した担体が熱いうちに射出成形で補強用のリブや接着点を成形する。不織布と射出成形工程では同じ材料を使用している。
\さまざまな内装トリムにKIS技術を使用すると1台当たり5キログラム以上の軽量化が可能になる。同技術では材料の使用量を削減できることも軽量化や生産工程におけるCO2排出量の削減に寄与している。コスト面では従来のプレス技術と比べると最大10%の削減が可能という。
\KIS技術で生産したピラーやドアトリムは次世代のメルセデスベンツモデルのいずれかに採用されるとの見通しを示している。
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