独自動車部品大手のコンティネンタルが米国のインターネット検索サービス大手グーグルおよびIT大手のIBMと自動車の自動運転技術の開発に関する提携交渉を進めているもようだ。8月22日付けの独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』が消息筋から得た情報として報じたもので、9月に開催されるフランクフルト国際モーターショー(IAA)で発表する可能性もあるという。
\同紙によると、3社は車車間通信や車両と計算センターとの通信に必要な「バックエンド」システムの構築で協力する計画。コンティネンタルはグーグルとの協力により、天候や渋滞情報、ナビゲーション情報など運転の自動化に必要な外部データを調達できる。また、IBMは膨大なデータを管理するための計算センターの構築で協力するとみられている。
\コンティネンタルは自動運転システムのベースとなる、車間距離制御システムや緊急ブレーキなどの運転支援システムの開発に1,300人以上の技術者を投入している。
\コンティネンタルは2月には、独高級車大手のBMWと自動運転システムの開発で協力すると発表するなど、同分野において外部との協力関係の構築を積極化している。BMWとの共同研究プロジェクトの実施期間は2014年末まで。ドイツのほか欧州の高速道路で複数のプロトタイプ車を使って走行試験を実施する。
\ \■ 自動車のネットワーク化で米シスコと協力
\ \コンティネンタルは8月8日、米IT機器大手のシスコと自動車のネットワーク化の分野で協力すると発表した。米ミシガン州トラバースシティーで先頃開催された業界セミナーに、共同開発したデモカーを出展した。
\このデモカーでは、常にインターネット接続が可能で、自宅や職場と同じような高水準のネットワーク環境を実現している。シスコが開発したソフトウエアにより、3Gや4G、ワイヤレスネットワークに円滑に接続できるという。両社は今後さらに自動車のネットワーク化において協力関係を強化する方針を示している。
\コンティネンタルのエルマー・デーゲンハルト社長はシスコとの協力に際し、「当社ではインターネットが自動車に導入されるのではなく、自動車がインターネットの一部になると見込んでいる」と述べ、自動車とインターネット技術の連携が新たなイノベーションの可能性をもたらすとの見解を示していた。また、自動車のネットワーク化では、さまざまな技術を持つ企業との協力関係の構築がアイデアや開発成果の実用化に向けた最善策となると述べ、外部との協力に積極的に取り組む姿勢も示していた。
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