独電機大手のシーメンスは電気自動車(EV)向けの充電スタンドの生産事業から撤退する。3日付けの独日刊紙『ウェルト』が報じた。充電スタンドに関してはソフトウエア開発に集中するという。電気モーターなどその他のEV事業は継続する。また、駐車券自動販売機の生産・販売からも撤退する方針を示している。
\『ウェルト』紙によると、ドイツでは電気自動車の普及が遅れており予想していた市場規模を確保できないことや、充電スタンドのハードウエアでは競合との差別化が難しいこが撤退の理由という。電気自動車インフラ(EVI)事業は赤字となっており、採算が合わないことも一因という。
\充電スタンド向けのソフトウエアのほか、壁に設置するタイプの充電設備(ウォールボックス)、ケーブルを必要としない非接触式充電システム、EV用電気モーターについては開発・生産を継続する。
\ \■ 駐車券自動販売機の生産・販売からも撤退
\ \『ウェルト』紙によると、シーメンスは、駐車券自動販売機の生産・販売からも撤退する方針を示している。同事業では赤字が続いているほか、中堅企業が多く、高いコスト競争圧力が事業収益を圧迫していたという。このため、今後は駐車スペースの管理システムなどソフトウエアの開発に重点を置く方針であると報じている。
\これらの事業撤退の背景には、シーメンスのペーター・レッシャー前社長の時代に打ち出したコスト削減・利益改善プロジェクト「シーメンス2014」があり、「モビリティー・アンド・ロジスティクス」部門では目標の達成に向けて、公道交通制御システムやネットワーク、課金システム、サービスなどに重点を置く方針という。
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