米自動車大手ゼネラルモーターズ(GM)の独子会社オペルは9日、電気自動車「アンペラ」のドイツ市場での販売価格を3万8,300ユーロからに引き下げると発表した。従来に比べ7,600ユーロの大幅な値下げとなる。9日発行の独週刊紙『ツァイト』が報じた。
\同社は大幅な値下げについて、生産工程の効率化や部品の調達コストの削減などを理由に挙げ、電気自動車を手頃な価格で販売することを目指している、と説明する。しかし、同紙によると、ドイツの大手自動車メーカーが相次いで電気自動車を市場投入することが値下げの背景にあるとの見方もある。
\独自動車最大手のフォルクスワーゲン(VW)は小型電気自動車「Eアップ」を約2万7,000ユーロから、独高級車大手のBMWは小型電気自動車「i3」を約3万5,000ユーロからの価格設定で販売する方針であり、「アンペラ」よりも安い価格設定となっている。『ツァイト』紙によると、2014年末までにドイツの自動車メーカーは計16モデルの電気自動車を市場投入する計画であり、市場競争が激化するとみられている。
\「アンペラ」は2012年2月に納車を開始。欧州の電気自動車市場(乗用車)における昨年の市場シェアは21%に達しているという。欧州市場における2013年1~6月の電気自動車の販売は1万4,266台で、このうちアンペラは1,328台を占め、約9%のシェア。
\「Eアップ」と「i3」は純粋な電気自動車で、「Eアップ」の1回のフル充電による航続距離は160キロメートル。これに対し、「アンペラ」は航続距離延長装置(レンジエクステンダー)として小型の内燃エンジンを搭載する。電気モーター単独の走行距離は最大80キロメートルにとどまる。内燃エンジンで発電し、車載電池を充電する機能を使用すると航続距離は500キロメートル以上に伸びる。
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