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2014/1/24

総合 – 自動車産業ニュース

全ドイツ自動車クラブ、人気モデルのアンケート結果を捏造

この記事の要約

全ドイツ自動車クラブ(ADAC)は19日、ADACのクラブ誌『モートアヴェルト(Motorwelt)』の読者アンケートで決める「お気に入りのモデル」の投票数を捏造していたことを認めた。1月16日にミュンヘンで催された授賞 […]

全ドイツ自動車クラブ(ADAC)は19日、ADACのクラブ誌『モートアヴェルト(Motorwelt)』の読者アンケートで決める「お気に入りのモデル」の投票数を捏造していたことを認めた。1月16日にミュンヘンで催された授賞式に先駆けて、独日刊紙『南ドイツ新聞』が投票数の捏造疑惑を報じていたが、表彰式の翌17日に『モートアヴェルト』誌の編集長でADACの広報部長でもあったミヒャエル・ラムステッター氏(60)が上層部に報告し、捏造の事実を認めた。

ADACは路上で自動車が故障した際のロードサービスなどを提供しており、黄色い天使(イエローエンジェル)とも呼ばれている。会員は約1,900万人と欧州最大の自動車クラブであり、影響力は大きい。問題のあった読者アンケート賞は、16日に開催された「黄色い天使(イエローエンジェル)」賞のカテゴリーの1つに位置づけられ、今年はフォルクスワーゲン(VW)の「ゴルフ」が受賞した。

『南ドイツ新聞』紙の報道によると、ADACが公表を予定していたVW「ゴルフ」の得票数は3万4,299票となっているが、実際には約10分の1の3,409票しか得票していなかったという。同紙によると、前年の投票数も捏造されていた疑いがあるという。

ADACは投票数を水増しした事実を認めたものの、順位は操作していないと説明している。

また、今回の事件を徹底的に調査し、外部機関の協力も得て、信用回復に尽力する意向を示している。

今回のスキャンダルでは、ラムステッター氏が広報部長と『モートアヴェルト』誌の編集長を辞任し、一人で責任を負う形となった。ADACのペーター・マイヤー会長は、謝罪するとともに、今回の事件を重く受け止め、失った信頼を取り戻すために全力を尽くす意向を示し、5月に開かれる株主総会で、公開性、透明性、会員に直結した組織を長期的に確保するための提案を示す方針を示している。

また、ADACは自動車メーカーや部品メーカーにも電話や書簡など、様々な形で謝罪する意向を表明している。

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