英国ロンドンのジョンソン市長は16日、2018年から市内を走るタクシーの新規登録を電気自動車(EV)などゼロエミッション走行が可能な車両に限定する方針を表明した。大気汚染の改善に向け、世界の主要都市に先駆けて二酸化炭素(CO2)の排出削減に取り組む。
ロンドン市中心部では大気汚染の80%が道路交通によるものとされており、「ブラックキャブ」の愛称で親しまれているタクシーは汚染の30%を占める。ジョンソン市長の公約は、タクシー会社が18年以降に車両を導入する場合にCO2の排出がゼロになる機能を持つことを条件とするというもの。EVやプラグインハイブリッド車(PHV)が対象となり、汚染が深刻な市中心部では電気走行を義務づける。同市長は昨年、20年までに市中心部に「超低排出ゾーン」設定する計画を表明している。ロンドン交通局は、タクシーのゼロエミッション化に対応するため、現在およそ1,400カ所あるEV充電設備を、18年までに6,000カ所程度に増やす考えだ。
ブラックキャブをめぐっては現在、市長の方針に沿って日産自動車、フレーザー・ナッシュ、メルセデス、カルサン、ロンドンタクシー・カンパニーの5社が特別仕様の新型車を開発しており、15年ごろからの投入が見込まれている。