独化学大手のBASFと戸田工業(広島県大竹市)は3日、リチウムイオン電池用正極材の合弁会社の設立に向けて独占交渉を開始したと発表した。日本に拠点を設置する計画で、BASFが過半数を出資する予定。
合弁事業では、ニッケル系正極材(NCA)、マンガン系正極材(LMO)、三元系正極材(NCM)などさまざまな正極材の生産、マーケティング、販売を行う計画。これらの正極材は車載用、民生用、定置用のリチウムイオン電池に使用されているという。
戸田工業の久保田正代表取締役社長は今回の発表に際し、リチウムイオン電池市場における成長のカギは、「製品開発」「性能」「コスト」「供給規模・能力」にあり、BASFとの協力によりこの4点をすべて強化でき、今後の市場拡大に的確に対応できるようになる、との見解を示している。
また、BASFの触媒事業部プレジデントのケニス・レーン氏は、「BASFはグローバル市場において電池事業の成長・拡大を加速しており、様々な可能性を検討している」と述べ、今回の合弁事業に向けた協議はBASFのこのような取り組みを強化するものであると説明している。