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2014/5/30

企業情報 - 部品メーカー

独ベバスト、中国の生産能力増強

この記事の要約

自動車用ルーフシステムなどを生産する独ベバストは5月22日、中国の武漢と瀋陽にルーフシステムの新工場を開設したと発表した。同国におけるスライドルーフおよびパノラマルーフの需要拡大に対応する。投資総額は660万ユーロ。今年 […]

自動車用ルーフシステムなどを生産する独ベバストは5月22日、中国の武漢と瀋陽にルーフシステムの新工場を開設したと発表した。同国におけるスライドルーフおよびパノラマルーフの需要拡大に対応する。投資総額は660万ユーロ。今年は2工場で計約80万ユニットの生産を見込んでいる。

賃貸している武漢工場では220万ユーロを投資して生産設備を整備し、5月初めに開所した。用地を購入した瀋陽工場には、440万ユーロを投資。7月初めから正式に操業を開始する予定。

べバストの中国市場における2013年のルーフシステムの売上高は約5億9,000万ユーロと、グループ全体の24%を占める。受注は好調で、スライドルーフやパノラマルーフの需要は今後も伸びると見込んでいる。特にSUVではパノラマルーフを装備する傾向が強まっているという。現地の自動車メーカーが生産するコンパクトカーや小型車ではスライドルーフの需要が増えると予想している。

べバストは2018年までに中国における売上高を10億ユーロに拡大する目標を掲げる。

■ 2013年は2%増収、ルーフ事業好調

べバストは5月22日、2013年通期決算の売上高が前年比2%増の25億ユーロに拡大したと発表した。スライドおよびパノラマルーフの販売が好調で2013年は初めて計1,000万ユニットを超えた。

売上高の内訳は、主力のスライドおよびパノラマルーフ事業が69%、暖房・空調システム事業は20%、カブリオレ用ルーフ事業は11%。利益は前年(1億2,500万ユーロ)をやや上回る1億2,600万ユーロで、売上高利益率は5.1%だった。

2013年12月末時点の従業員数は1万517人。約70%が国外拠点に勤務しており、ドイツ以外の国外市場が売上高の75%以上を占めている。

■ マルチオプショナルルーフ、軽量化などに注力

今後注力する技術分野については、マルチオプショナルルーフの開発や軽量化、冷暖房設備のシステム化などを挙げている。

マルチオプショナルルーフは、1つの車両構造に対し様々なタイプのルーフを装備できるシステムで、ドライバーの好みに柔軟に対応できるほか、コスト効率も高まるとしている。

また、自動車メーカーの二酸化炭素(CO2)削減のニーズに対応するため、ポリカーボネートやペーパーハニカムなど軽量素材を使用したルーフシステム事業を強化する。

さらに、軽商用車や特殊車両向けの冷暖房設備のシステム化に注力するほか、同分野では欧州域外の事業拡大も推し進める。

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