印鉄鋼大手タタ・スチールの欧州部門タタ・スチール・ヨーロッパは1日、英サウス・ウェールズ地方のポート・タルボット工場で従業員の10％に相当する400人を削減すると発表した。欧州で鉄鋼需要が減少していること受け、コストを削減し競争力を高めるのが狙い。
タタ・スチール・ヨーロッパのケーラー社長は、英国の人件費やエネルギー費は他の欧州連合（EU）加盟国を大幅に上回っていると指摘。人員削減は「英国の帯鋼事業が将来的に競争力を持つためには欠かせない措置」だと説明した。
欧州の鉄鋼需要は世界金融危機以前と比べ25％も落ち込んでいるうえ、中国などからの輸入品との競争が激しさを増しており、鉄鋼各社にはコスト削減圧力がかかっている。タタ・スチールは昨年、英イングランド北部のスカンソープ、ワーキントン、ティーズサイドの拠点で人員削減を柱とした事業再編計画を実施する方針を明らかにした。
