独特殊化学大手のエボニックは21日、ブラジル・サンパウロ州のアメリカーナに沈殿法シリカ（湿式シリカ）の工場を建設すると発表した。投資は5,000万ユーロ前後となり、2016年に稼働する予定。
沈殿法シリカは主に、転がり抵抗の低い高品質タイヤの材料として使用されている。南アフリカの自動車市場は近年、大幅な成長を示しており、転がり抵抗の小さいタイヤは従来のタイヤと比べても高い需要があるという。また、ブラジルでタイヤのエネルギー消費の表示が義務化される見通しであることも事業の追い風になると見込んでいる。
エボニックは世界的に沈殿法シリカの生産能力を拡大しており、今年3月にはタイで拡張工事を終えた工場を稼働させたほか、米国のチェスターでは年内に生産能力が年2万トンの工場が稼働する予定。先行してアジアと欧州で生産拡大に区切りがついたことから、北・南米でも同取り組みを推し進める。
なお、エボニックはタイヤのほか、南アメリカで成長している食品、飼料、農業分野でも事業強化を視野に入れているという。
