韓国の現代自動車が新たなスポーツカーを投入するとの観測をめぐり、同社の英国法人のホワイトホーン社長兼最高経営責任者(CEO)は、新型スポーツカーの投入はリスクが大きいとして否定し、既存モデルの高性能バージョンの開発に注力する方針を示した。
昨年まで現代自欧州法人の最高執行責任者(COO)を務めていたラッシュフォース氏は以前、ブランドイメージを向上させるため、昨年公開された「パッソコルト」をベースとしたプレミアムスポーツカーを検討していることを明らかしていた。これについて、ホワイトホーンCEOは英自動車雑誌『オートカー』の取材に対し、「スポーツカーセグメントへの参入は簡単なことではなく、リスクが大きい」と否定的な見方を示すとともに、今後は世界ラリー選手権(WRC)のイメージを反映した高性能モデルに力を入れる方針を明らかにした。
現代自は先ごろ、「i30」の高性能バージョン「i30ターボ」を発表したが、これが高性能車シリーズ「N」の第一弾モデルとなる可能性がある。ホワイトホーン氏によると、「i20」と「i40」にも同様のハイパフォーマンスモデルが追加される可能性があるという。
現代自動車は先ごろ、BMWの高性能車両の開発総括責任者だったビアマン氏を副社長として迎え入れ、高性能モデルの開発に本格的に乗り出した。「M」シリーズの開発で手腕を発揮した同氏のもとで新たなレンジの開発を促進し、拡販につなげたい考えだ。