米自動車大手ゼネラルモーターズ(GM)の独子会社オペルは1月29日、ロシアのサンクトペテルブルク工場の生産を3月23日~5月15日までの約2カ月、停止すると発表した。ルーブル安とロシア経済の悪化を受けた措置。従業員約1,000人が影響を受ける。
オペルは昨年9月、ロシア事業を大幅に見直す方針を発表、生産シフトを2交代から1交代制に削減し、人員整理も実施した。メディア報道によると、同工場ではその後も人員削減を行っており、約2,000人だった従業員数は現在約1,000人まで縮小していた。また、オペルは2012年にサンクトペテルブルク工場の生産能力を年23万台に増強する計画を発表したが、2014年の生産実績は約3万7,000台にとどまっている。
ロシアの欧州ビジネス協会(AEB)によると、2014年の同国の国内新車(乗用車・小型商用車)販売は前年比10.3%減の249万1,404台に落ち込んだ。また、2015年は前年比24%減の189万台に大きく落ち込むとの予想を示している。
GMはロシアでオペル、シボレー、キャデラックの3ブランドを展開している。2014年の販売は、オペルが前年比20%減の6万4,985台、シボレーは29%減の12万3,175台、キャデラックは12%減の1,324台だった。
ウクライナ情勢をめぐる欧米諸国のロシアに対する制裁措置などの影響で同国では自動車販売市場の低迷が深刻化している。ロシア事業は2013年までゼネラルモーターズ・インターナショナル・オペレーションズ(GMIO)が統括していたが、2014年1月からオペルの管轄となった。