独高級車大手のBMWはこのほど、フランス南部ミラマの走行試験場で「2シリーズ・アクティブツアラー」のプラグインハイブリッド車や水噴射システムを採用した「1シリーズ」、燃料電池車のプロトタイプを発表した。
プラグインハイブリッド車はBMWが電気自動車などを販売する「iブランド」向けに開発した電気駆動システム「eドライブ」技術とフロントに配置した横置きガソリンエンジンを組み合わせた。ガソリンエンジンは3気筒でツインパワーターボ技術を装備する。エンジンで前輪を、電気モーターで後輪を駆動し、4輪駆動で走行することもできる。プラグインハイブリッド車「2シリーズ・アクティブツアラー」は、停止した状態から時速100キロメートルに達する加速性能は約6.5秒、走行100キロメートル当たりの燃費が約2リットル、走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は50グラム以下となっている。電気モーター単独では最大38キロメートルを走行できる。
メディアが同社筋から得た情報によると、同モデルは2016年に発売される見通しという。
■ 水直噴システムで性能と燃費改善
BMWが開発した水直接噴射システムは、エンジンに霧状の水を噴射して冷却することによりエンジンの性能向上と燃費改善効果が得られるという。ロードレース世界選手権「MotoGP」のセーフティーカー「M4」で初めて採用した水噴射システムを、今回の技術発表イベントでは、ターボチャージャー付き3気筒ガソリンエンジンを搭載したBMW「1シリーズ」に採用した。
■ 燃料電池車にはトヨタとの共同開発の成果も
燃料電池車は「5シリーズ・グランツーリスモ」をベースにしたデモカーで、「iブランド」向けに開発した出力180kW/245PSの電気モーターやパワーエレクトロニクス、高電圧バッテリーを搭載する。
水素ガス(CGH2)貯蔵タンクは、700バールのタンクとBMWグループが特許を持つ低温で水素ガスを貯蔵する350バールのタンクを装備しており、航続距離は500キロメートル以上に達する。
また、燃料電池セル、ハウジング、補助システムは、BMWグループとトヨタ自動車の燃料電池車分野における共同開発の成果であるという。