中国自動車大手の長城汽車(GWM)は18日、独バイエルン州のミュンヘンに欧州事業本部を開設した。これにより、欧州市場への進出を本格化する。また、同拠点を通して、地域の意思決定者やサプライヤーとの協力関係を強化する。
欧州事業本部には、研究開発、管理、販売部門を置く。従業員数は2022年に300人の規模となる見通し。同拠点の近隣には、BMWの研究イノベーションセンター(FIZ)やITセンター(ITZ)もある。
GWMは、2021年秋にミュンヘンで開催された国際自動車見本市(IAAモビリティ)に傘下のプレミアムSUVブランド「WEY」と電気自動車(BEV)ブランド「ORA」のモデルを出展した。両ブランドがIAAモビリティに出展したモデルは、2022年からドイツで販売を開始する予定。また、自動車販売だけでなく、充電サービスや保守・修理サービス、コネクテッドカー・サービスなどを提供し、欧州のユーザー向けに包括的なライフスタイル・エコシステム(ビジネス生態系)を構築する計画。
2ブランドは、アプリを通して顧客との交流を図るプラットフォームを構築する計画。また、顧客との接点の中心となる場所として、2022年にブランド・エクスペリエンス・センターをミュンヘンとベルリンに開設する予定。
■GWMのスピンオフ企業SVOLT、ドイツに2工場建設
GWMのスピンオフ企業である中国のリチウムイオン電池メーカー、蜂巣能源科技(SVOLT)は2020年11月、ドイツのザールラント州に2工場を建設する計画を発表した。
セル工場とモジュール・パック工場を建設する計画で、セル工場の生産能力は段階的に引き上げ、最終的に24ギガワット時(GWh)となる予定。SVOLTは2工場の建設に総額で最大20億ユーロを投資する。