英自動車工業会(SMMT)は5月26日、同国の4月の乗用車生産が6万544台となり、前年同月に比べ11.3%減少したと発表した。世界的な半導体の供給不足の継続、ロシアによるウクライナ軍事侵攻のサプライチェーンへの影響、モデル変更、広範囲に渡る産業構造の変化など複数の要因が生産台数の減少の背景にあると指摘している。1~4月の累計は、前年同期比28.5%減の26万7,901台だった。
4月の乗用車生産のうち、輸出は前年同月に比べ20.8%減少した。ホンダの英国工場が昨年7月末で閉鎖した影響がある。国・地域別では、欧州連合(EU)向けが前年同月に比べ5.0%増加した一方、米国向けは68.0%減少、アジア向けも10.4%減少した。
国内向けは、新モデルの市場投入を受け、前年同月比60.1%増と大幅に増加している。
■ 商用車生産、4月は27.6%増加
SMMTによると、同国の2022年4月の商用車生産は、前年同月比27.6%増の7,879台に拡大した。増加は4カ月連続となる。新型コロナウイルスの影響で生産台数が減少していた反動があるが、2016年4 月(8,548台)以降で最高の生産台数に回復している。
輸出向けが58.0%増の4,723台と好調で、全体に占める輸出の割合は59.9%と、前年同月(48.4%)を大幅に上回っている。国内向けは前年同期比1.0%減の3,156台とほぼ横ばいだった。
1~4月の累計生産は前年同期比48.9%増の3万3,147台だった。輸出向け(1万8,921台)のうち欧州連合(EU)向けが全体の92.4%を占めている。
■ エンジン生産は、前年同月比2.7%減少
SMMTによると、同国の2022年4月のエンジン生産は、前年同月比2.7%減の12万6,082基だった。国内向け(1.3%減)、輸出向け(3.9%減)のいずれも前年同月を下回った。1~4月の累計は、前年同期比19.2%減の53万7,355基だった。