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2010/6/11

企業情報 - 自動車メーカー

ドイツ政府、政府保証によるオペル支援を拒否

この記事の要約

ドイツのブリューデルレ連邦経済相は9日、米自動車大手ゼネラルモータース(GM)が独子会社オペルの事業再建資金として政府に申請していた11億ユーロの融資保証を拒否することを決めたと発表した。GMは今後、欧州連合(EU)や独 […]

ドイツのブリューデルレ連邦経済相は9日、米自動車大手ゼネラルモータース(GM)が独子会社オペルの事業再建資金として政府に申請していた11億ユーロの融資保証を拒否することを決めたと発表した。GMは今後、欧州連合(EU)や独4工場のある州政府から金融支援を受けるなどの道を探ることになる。従業員側は政府の支援が得られなければ少なくとも2工場が閉鎖される恐れがあるとの懸念を示している。

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GMはドイツ政府が経済・金融危機で資金繰りが悪化した企業の支援を目的に設立した「ドイツ経済基金」に政府保証を申請していた。同基金の運営委員会ではオペル支援の是非について意見がまとまらず、ブリューデルレ経済相に判断が委ねられていた。同経済相は申請を拒否した理由について、GMは約100億ドルの流動資金を確保しており、2010年1-3月期には利益も出していると指摘、自力再建は可能と判断したと説明した。連立与党の自由民主党(FDP)からは、オペルは金融危機で経営危機に陥った企業を支援するという基金の条件を満たしていないとの批判もあった。

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オペルの事業所委員会(従業員の代表機関)のクラウス・フランツ委員長は今回の決定について、「GMの事業再建は前進しているものの、経営危機から脱したという状態には程遠い」と説明、政府の判断を批判した。オペルはドイツ国内に約2万5,000人の従業員を抱えている。

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■ 州政府はオペル支援で合意

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メルケル首相は10日、オペルの工場があるヘッセン、ラインラント・プファルツ、テューリンゲン、ノルトライン・ヴェストファーレンの4州の州首相と会談し、オペル支援の可能性について協議した。4州の首相は会談後、オペル支援で結束する方針を表明。今後、欧州連合(EU)の規定内で支援の可能性を検討していくとした。

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