独自動車大手ダイムラーのバス部門(メルセデス・ベンツ、セトラ、オリオン)を統括するハルトムート・シック部長は6日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙とのインタビューで、今年の世界シェアを経済危機が起こる前の2008年水準まで引き上げる方針を示した。アジア、南米を中心にバス需要が急拡大していることを追い風にシェア奪回を目指す。
\同社の世界バス市場におけるシェアは08年に15%だったが、09年は景気悪化の波を受けて2ポイント減の13%に落ち込んだ。一方、今年に入ってからは景気回復を受けて需要が拡大している。同社の1‐7月期の世界販売は前年同期比25%増と大きく伸びた。けん引役はバス市場で同社が圧倒的なシェアを誇るブラジルだ。同国における上半期のシェアは前年同期比7ポイント増の56%に拡大した。
\今後の成長が見込める市場としてシック部長はインドに注目する。「市場専門家の試算によると、世界バス市場におけるインドのシェアは2020年までに20%に拡大する見通し」という。ダイムラーは2008年から観光バス事業で印ストレジ(Sutlej)と提携しており、今後はサービス網を拡充することでインド事業の足場を固めていく計画だ。
\