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2010/9/10

企業情報 - 自動車メーカー

フォルクスワーゲン、ロシア現地生産強化へ

この記事の要約

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)がロシア現地生産を拡大する。カルーガ工場の生産能力を強化するほか、現地大手のGAZに自社ブランド車の組み立てを委託する方向だ。成長著しいロシア市場で事業を拡大し、販売急増を狙う。プー […]

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)がロシア現地生産を拡大する。カルーガ工場の生産能力を強化するほか、現地大手のGAZに自社ブランド車の組み立てを委託する方向だ。成長著しいロシア市場で事業を拡大し、販売急増を狙う。プーチン首相は2日、ヴィンターコルン社長と会見し、同社の投資環境を整備する意思を表明した。

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ヴィンターコルン社長は2日、カルーガ工場の生産能力を引き上げる計画を発表した。ロシアでの需要拡大に対応し、2018年の販売目標36万台の達成を狙う。これは、昨年の販売実績(9万4,000台)の3.8倍に当たる規模だ。

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また、GAZへの組立生産委託は、今月中にも交渉がまとまる見通しだ。政府関係者によると、「パサート」など高価格帯モデルの最終組み立て作業が対象となる。GAZのニージニー・ノヴゴロド工場で生産される可能性が高い。

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『コメルサント』紙によると、カルーガ工場の生産強化の背景には、ロシア政府との間で結んだ投資契約があるようだ。VWはこの中で、10月から同工場での生産事業を、車体製造や塗装を含めたフルライン生産に移行させることを約束した。3日に一貫生産体制に入ったものの、「トゥアレグ」と「マルチバン」は対象から外れており、約束の履行が難しくなっている。このため、生産能力を30万台に倍増させる新規投資を約束することで、ノックダウン生産継続の許可を得る狙いがあるという。

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しかし、この思惑が実現するかは微妙なところだ。産業省は部品輸入関税の減免基準を厳格化する方向で準備中。同省案の基準をクリアできるのは、現時点でルノー・アフトワズとフィアット・ソラーズの両企業連合だけとなっている。

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VWカルーガ工場はモスクワの南東およそ170キロに位置する。3,000人を雇用し、年産能力は15万台。昨年は不況の影響で生産規模が約5万台にとどまったが、今年は1~7月ですでに5万7,600台を出荷した。パサート、ゴルフ、ジェッタ、トゥアレグ、ティグアン、マルチバン、キャディー・ライフなどを生産している。

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