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2011/5/27

企業情報 - 自動車メーカー

VW、リチウムイオン電池で独ボッシュと協力も

この記事の要約

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)が電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池調達で独自動車部品大手のロバート・ボッシュと提携する方向で交渉を進めているもようだ。具体的な構想は不明だが、ボッシュがドイツに工場を建設 […]

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)が電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池調達で独自動車部品大手のロバート・ボッシュと提携する方向で交渉を進めているもようだ。具体的な構想は不明だが、ボッシュがドイツに工場を建設する可能性などが憶測されている。

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複数のメディア報道によると、VWのマルティン・ヴィンターコルン社長はこのほど、米国のテネシー州チャタヌーガに建設した新工場の開所式に出席した際、「バッテリー分野でボッシュと協力する可能性がある」と述べていた。また、26日付の独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』紙によると、ボッシュの広報担当者は、同社がすでにVWのEVのプロトタイプ向けに電池を供給していることを認めている。

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ボッシュはリチウムイオン電池事業では、韓国のサムスンSDIと合弁会社SB LiMotiveを設立、同合弁会社を通して、BMWや、フィアットとクライスラーの共同プロジェクトからすでにEV向け電池を受注している。

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また、ボッシュのフランツ・フェーレンバッハ社長はこれまで、一定の受注と補助金を確保できればドイツに電池工場を建設する可能性もあるとの見解を明らかにしている。ドイツ政府は先ごろ、EV普及に向けた支援を強化する計画を発表し、研究開発支援では特に電池に重点を置く方針を示していることから、ボッシュがドイツにバッテリー工場を建設する可能性は高いとの見方が強まっている。

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一方、VWは、開発中の小型自動車「アップ(Up)」のEV向けの電池を三洋に発注したほか、東芝や中国のBYDとも協力関係にあるとされている。バッテリーに関しては複数のメーカーから調達する戦略をとっているもようだ。メディア報道によると、VWはボッシュから調達するバッテリーを「ゴルフ」のEVに搭載する計画であると見る向きもある。

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