日本と欧州連合(EU)が5月28日の首脳会議で経済連携に向けた準備作業に入ることで合意したことを受け、欧州自動車工業会(ACEA)は同日、日本との自由貿易協定(FTA)の正式交渉の開始に慎重な姿勢を示した。
\ブリュッセルで開かれた首脳会議では、事前協議を早期に開始し、経済連携の対象や範囲を絞り込むことで合意した。ACEAは事前協議ではあらゆる分野と範囲を検討対象とすることを要請するとしたうえで、正式交渉に入る前に事前協議の結果を十分に分析する必要があるとの見解を示した。
\ACEAは、非関税措置だけでは日本市場の開放は進まないと指摘し、基準や認証制度なども範囲に盛り込むよう求めた。また、経済連携協定によるEUの製造業や雇用への影響も十分に調査する必要があると強調した。
\ACEAのイバン・ホダッチ専務理事は、ACEAは自由貿易を支持するとの立場を示した上で、「基準や認証制度の共通化を促進することが世界市場の流通を円滑にする」と指摘。日本がジュネーブで2010年に開催された国連欧州経済委員会(UNECE)で提言した「国際的な車両型式認証の相互承認制度(IWVTA)」を歓迎するとの姿勢を示した。
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