欧州自動車最大手の独フォルクスワーゲン(VW)は5月31日、独商用車大手のMANの株主に対し、現金で議決権1株当たり95ユーロ、優先株一株当たり59.90ユーロの買収案を提示した。同月30日に連邦金融監督庁(BaFin)の許可が下りた。買い取りの期間は5月31日~6月29日まで。
\VWは先ごろ、MANに対する議決権ベースの出資比率を従来の29.9%から30.47%に引き上げた。ドイツの法律では出資比率が30%を超えると、全ての株主に対して株式の買い取りを提案しなければならないため、法律に沿ってVWは買収案を提示した。しかし、MANの株価はVWの提案を上回る約97ユーロで推移していることから、提案に応じる株主は少数にとどまるとの見方が強い。
\一方、VWは直ちにMANの株式の過半数を取得する意向はなく、議決権ベースの出資比率を35~40%に引き上げてMANの株主総会で過半数を確保し、経営の主導権を握ることを目指しているとされる。
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