スウェーデンの乗用車メーカー、ボルボ・カー・コーポレーションは5月26日、フライホイール式KERS(運動エネルギー回生システム)を搭載した試験車両の公道走行試験を今秋から開始すると発表した。同社が開発したシステムでは、4気筒エンジンで6気筒エンジン並みの出力性能を確保できるうえ、燃費を最大20%削減できる利点がある。
\フライホイール式KERSは、ブレーキ時に発生したエネルギーをフライホイールの回転エネルギーとして蓄積する仕組み。これまでもフライホイール式KERSの採用を試みたメーカーはあったが、前輪駆動車の後輪にフライホイールを組み込んだのは同社が初めてという。ボルボは、開発中のシステムを数年以内にも実用化することを見込んでいる。
\同システムでは、ブレーキがかかるとエンジンが自動的に停止し、ブレーキエネルギーによりフライホイールの回転数は最大6万回/分(rpm)に達する。車両が再び加速すると、特別に設計したトランスミッションにより蓄積されたエネルギーが後輪に伝達され、加速を補助する仕組み。同エネルギーは、巡航走行時の補助エネルギーとしても使える。
\同プロジェクトには、子会社のボルボ・パワートレインとスウェーデンのベアリング大手SKFが参加している。また、スウェーデンエネルギー庁も同プロジェクトに657万スウェーデンクローナを資金支援してきた。
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