独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のマルティン・ヴィンターコルン社長はこのほど、独『Auto Motor und Sport』誌とのインタビューの中で、同社の2011年通期の中国市場の乗用車販売が220万台を超えるとの見通しを明らかにした。2018年までに400万台の販売を目指す。
\同社長によると、中国の乗用車市場は2018年までに2,000万台に拡大する見通し。同社は市場シェアで20%を目指す方針。
\同社の昨年の中国販売は前年比37%増の約192万台に拡大した。今年1~5月の販売も前年同期比15%増の71万4,200台に達している。
\新ブランドの立ち上げや、電気自動車の発売も中国市場の販売の追い風となりそうだ。VWは中国の提携先である中国第一汽車(FAW)および上海汽車(SAIC)とそれぞれ新ブランドを立ち上げて低価格帯のモデルを生産することで合意している。電気自動車(EV)も各社と共同で開発する計画だ。
\ \■ 全モデルにハイブリッド車を投入へ
\ \ヴィンターコルン社長は同誌とのインタビューの中でこのほか、VWグループが採用する全てのプラットフォームに将来、プラグインハイブリッド車を投入する計画を明らかにした。ただし、現在のリチウムイオン電池の性能は十分ではないと述べ、リチウム硫黄電池やリチウム空気電池など新技術の開発に期待感を示した。
\同社長は現在のリチウムイオン電池について、重量250キログラム、出力25kW時で、航続距離は好条件下でも150kmにとどまり、エネルギー密度は1kgあたり100ワット時にとどまると指摘。これに対し、リチウム硫黄電池はエネルギー密度が300ワット時/kg、リチウム空気電池は400~500ワット時/kgに達し、重量250kgのバッテリーで800kmを走行できると説明し、実用化に期待しているとの見解を示した。次世代二次電池は2025年頃の実用化が見込まれている。
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