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2011/6/17

企業情報 - 自動車メーカー

フォード、欧州工場の生産を再編

この記事の要約

米自動車大手のフォードは14日、欧州工場の生産体制を再編すると発表した。生産能力を最大限に活用し、生産効率と柔軟性を高める狙い。フォードは欧州市場に今後3年間で新モデルおよび大幅に改良を加えたモデル計20機種を投入する計 […]

米自動車大手のフォードは14日、欧州工場の生産体制を再編すると発表した。生産能力を最大限に活用し、生産効率と柔軟性を高める狙い。フォードは欧州市場に今後3年間で新モデルおよび大幅に改良を加えたモデル計20機種を投入する計画としている。

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ドイツのケルン工場では、小型車「フィエスタ」の生産を次世代モデルも継続する一方、ミニバン「Bマックス」は新モデルからルーマニア工場に生産を移管する。フィエスタは現在、スペインのバレンシア工場でも生産しているが、今後はケルン工場に集約する。

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また、ドイツのザールルイ工場ではコンパクトカー「フォーカス」とオフロード車「クーガ」を生産しているが、クーガは新モデルからバレンシア工場に生産を移管する。フォーカスは引き続き同工場で生産し、2015年に発売予定の次世代モデルも同工場で生産する。2012年には「フォーカス」の電気自動車(EV)の生産も小規模で開始する予定。

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ルーマニアのクライオバ工場では、2012年からミニバン「Bマックス」の新モデルを生産するほか、将来はBセグメントのモデルも生産ラインに加わる予定という。また、年内に新たに1.0リットル3気筒ガソリンエンジンの生産も開始する。同エンジンは総生産量の約50%をルーマニアで生産する計画で、残りはドイツのケルン工場が担当する。

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スペインのバレンシア工場では、フィエスタの生産が現行モデルで中止となる一方、ドイツのザールルイ工場で生産していたクーガの新モデルを引き受ける予定。また、デリバリバン「トランジット・コネクト」の新モデルも生産する。フォードは生産体制の見直しに伴いスペイン工場に8億ユーロを投資する計画だ。

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■ ドイツでは2017年初めまで雇用保持

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今回の生産体制の見直しにより、ドイツの2工場ではそれぞれ、3シフト体制で年35万台以上の生産能力が整備されることになる。同国では長期的に200人分の雇用が新たに創出される見通しで、フォードはエンジニアを500人以上、採用する方針も明らかにした。また、2017年初めまでの5年半、経営上の理由による解雇を実施しないことでも労組と合意している。

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フォードは2015年までに世界の販売台数を50%増の約800万台に引き上げる計画を打ち出している。主に市場シェアが低い新興国市場での販売を強化する方針。

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欧州連合(EU)の販売は2011年1~4月に37万7,340台となり、前年同期に比べ11.8%減少したものの、市場シェアは8.1%と、ブランド別の販売ではフォルクスワーゲン(VW)に次いで2位につけている。グループ別の販売では、VWグループ、PSAグループ、ルノー・グループ、GMグループに次いで5位となっている。

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