独商用車大手MANのフェルディナンド・ピエヒ監査役会長は6月27日の株主総会で、監査役会の選出について、フォルクスワーゲン(VW)の取締役3人が候補を辞退すると発表した。欧州連合(EU)の欧州委員会から、同3人はスウェーデン商用車大手のスカニアの監査役であるため、競争法上問題があるとの指摘を受けたことを理由とした。一方、VWによるMANへの買収提案は6月29日に締め切られた。
\VWは同社が筆頭株主であるスウェーデンの商用車大手スカニアとMAN、VWの商用車事業の連携強化を目指している。ピエヒ監査役会長はVWの監査役会長を兼任しており、株主総会では、ピエヒ会長を含めたVWの役員5人をMANの監査役会に送り込む計画だった。同計画が実現すれば、MANの監査役会8人のうち5人がVW出身者で占めることになっていた。
\メディア報道によると、VWはMANへの買収提案により、議決権ベースの出資比率を35~40%に引き上げる目標を達成したもようだ。6月30日時点では詳細は明らかになっていないが、出資比率が50%に達したとの見方もある。VWはMANに対する議決権ベースの出資比率が30%を超えたため、ドイツの法律に沿って、全ての株主に対して株式の買い取りを提案したものの、直ちにMANの株式の過半数を取得する意向はなく、議決権ベースの出資比率を35~40%に引き上げてMANの株主総会で過半数を確保し、経営の主導権を握ることを目指しているとされる。
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