ドイツ自動車メーカーの販売が好調だ。主な乗用車ブランドの2011年上半期(1~6月)の販売実績を見ると、最大手のフォルクスワーゲン(VW)は前年同期比11.8%増の約253万台、高級車メーカーもアウディが17.7%増の65万2,950台、メルセデス・ベンツが9.7%増の61万531台、BMWも17.8%増の68万9,861台にそれぞれ伸ばした。
\ \■ VW、「ジェッタ」「ティグアン」などの販売好調
\ \VWブランドの上半期の乗用車販売を見ると、モデル別では、「ジェッタ」(58.3%増)、「ティグアン」(50.9%増)、「パサートCC」(73.4%増)、「フェートン」(95.8%増)などが好調だった。
\地域別では、母国ドイツが4.9%増の30万1,700台に拡大。欧州では、中東欧が42.2%増の9万2,300台、ロシアは103.0%増の4万5,500台と大幅に伸びた。アジア・太平洋地域では全体で16.4%増の95万100台を販売。同社にとって最大市場である中国では、12.9%増の85万2,800台を販売した。北米市場も好調で、21.8%増の23万7,700台を確保した。
\ \■ アウディ、欧州市場の販売好調
\ \アウディはSUVモデルのほか、「A1」、「A8」の販売も好調だった。欧州市場では1~6月に13.5%増の38万2,850台を販売した。特にドイツ(15.7%増)、フランス(26.1%増)、英国(11.7%増)で大きく伸びた。スウェーデンなど北欧4カ国やロシアでも2ケタ成長を確保した。
\欧州域外では、米国で15.4%増の5万5,909台、ブラジルで47.0%増の2,182台を販売。中国(香港も含む)で28.0%増の14万699台、インドでは前年同期(1,400台)の約2倍となる2,802台を販売した。
\ \■ メルセデス・ベンツ、アジア・BRIC市場が好調
\ \メルセデス・ベンツはアジアおよびBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)市場が好調だった。モデル別では、「Cクラス」、「Sクラス」、SUVモデル(「GLK」「Rクラス」など)などの引き合いが強かった。
\1~6月の販売を地域・国別に見ると、西欧市場は1.7%増の27万6,843台にとどまった一方、中国では52.3%増の9万2,174台を販売した。同社は中国の販売規模を2015年までに30万台に引き上げる計画だ。アジアではこのほか、台湾(45.0%増)、韓国(16.6%増)も好調だった。BRICsでは、インドが40.3%増、ロシアは70.6%増、ブラジルも34.7%増と大幅に伸びた。米国は7.0%増の11万926台だった。
\同社は2011年通期の乗用車販売(メルセデス・ベンツおよびスマート)で130万台を目指している。
\ \■ BMW、通期業績予想を上方修正
\ \BMWは販売好調を受けて12日、グループ(BMW、MINI、ロールスロイス)の通期業績予想を上方修正した。販売台数を前年比10%増の160万台以上(従来予想:150万台以上)、自動車部門の売上高利益率(EBITベース)を10%以上(同8%以上)に引き上げた。投下資本利益率(ROCE)で26%以上を確保する目標は据え置いた。
\グループ(BMW、MINI、ロールスロイス)の1~6月販売は前年同期比19.7%増の83万3,366台となり、過去最高を記録した。欧州、アメリカ、アジアで2ケタ増を確保。特にアジアは47.3%増の18万9,254台と好調だった。
\国別の最大市場は母国ドイツの14万9,786台で、前年同期比10.6%増に拡大した。米国も約18%増の14万3,521台と好調だった。中国は61%増の12万1,614台に急成長した。
\新興国市場では、ブラジル(69%増)、ロシア(31.6%増)、インド(107.2%増)、韓国(71.9%増)、トルコ(179.6%増)などで大きく伸びた。
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