独自動車部品大手のロバート・ボッシュは23日、ドイツのアイゼナハに次世代リチウムイオン二次電池のセルを生産するパイロットプラントを建設すると発表した。2012年から研究を目的としたセルの試験生産を開始し、2015年までに生産規模を年20万セル以上に拡大する計画。量産化したセルは船舶バッテリー向けに供給する予定。
\同プロジェクトでは、独化学大手のBASFと材料分野で、また、独鉄鋼大手ティッセンクルップ傘下のエンジニアリング会社ティッセンクルップ・システム・エンジニアリングとは生産設備の分野で協力し、材料および生産設備の分野で国内ネットワークを構築する。
\プロジェクトチームでは人員を順次増やし約80人とする予定。材料分野では、正極材、負極材、電解質およびこれらの部材の連携について研究・開発し、同分野の研究成果は新たな生産システムの開発にも活かしていく計画だ。
\ボッシュは自動車向けのリチウムイオン電池事業では、韓国のサムスンSDIとの合弁会社SBリモーティブを通して事業を展開している。今回のプロジェクトは非自動車向けのリチウムイオン電池セルの開発・生産に主眼を置いたもので、自動車向け事業を補完する形でリチウムイオン電池事業の競争力を強化する。
\独経済紙『ハンデルスブラット』によると、ボッシュは今回のプロジェクトに約7,500万ユーロを投資する計画で、子会社のロバート・ボッシュ・バッテリー・ソリューソンズを通して同プロジェクトを実施する。
\同紙によると、ボッシュは従来、部材の調達先を複数に分散してきた。今回のプロジェクトでは、リチウムイオン電池セルの部材の供給をサムスンSDIだけでなく、BASFにも広げる一方、事業分野を非自動車に限定することで、サムスンSDIとの関係を維持する狙いがあると見られている。また、BASFとの協力はドイツ産業のリチウムイオン電池分野の競争力強化を視野に入れた取り組みであるとも見られている。
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