ドイツ東部のフライベルクに8月29日、ヘルムートホルツ資源技術研究所が開設された。連邦政府はドイツ産業にとって重要な資源を長期的に確保するため、同研究所と主要な研究機関との連携を強化する方針だ。
\同研究所はフライベルク工科大学とドレスデン・ロッセンドルフ・ヘルムートホルツセンターが共同で運営し、連邦教育研究省(BMBF)が年最大500万ユーロを支援する。職員数は2011年末までに約20人となり、今後5年以内に約100人に拡大する予定。
\連邦政府は、世界的に資源の需給がひっ迫し価格が上昇していることから2010年に資源戦略を策定した。新たな研究所の設置は同戦略の中核プログラムの一つとなる。
\アネッテ・シャバン連邦教育研究相は研究所の開設に合わせて、新たな研究プログラム「ハイテク国ドイツのための資源経済戦略」を発表。主要な研究拠点のネットワークを強化し資源の効率的な利用などを支援する方針を示した。例えば、レアアースなどの資源確保は太陽光発電、風力発電、電気自動車などに不可欠となっている。
\ \■ 連邦政府、海洋技術の国家基本計画を閣議了承
\ \連邦政府は8月24日には、海洋技術に関する国家基本計画(ナショナルマスタープラン)案を閣議で了承した。同計画により、海底油田、海底ガス、洋上風力発電、海底技術、洋上の交通・安全技術、鉱物資源などの分野でドイツ産業の競争力を強化するとともに、エネルギーや資源の安定供給を確保する方針。
\政府は、経済成長が著しい新興国でエネルギー需要が拡大していることを背景に、当該計画の最重要分野として海底油田と海底ガスに関する技術を挙げているほか、洋上風力発電やレアアースなどの鉱物資源の採掘も重要分野としている。
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