伊フィアットのセルジオ・マルキオンネ最高経営責任者(CEO)は8月24日、米国の景気減速懸念や欧州債務危機による自動車需要の低迷など、同社を取り巻く経営環境の悪化が不安視されるなか、2011年の業績目標を当面は堅持する方針を示した。
\フィアットは7月、過半数株式を保有する米クライスラー・グループを連結決算の対象としたことに伴い、11年通期の業績目標を上方修正。売上高を従来の370億ユーロから580億ユーロ、業務利益を12億ユーロから21億ユーロにそれぞれ引き上げた。
\マルキオンネCEOは、世界経済は景気後退の局面には「まだ陥っていない」と強調。米国の自動車販売市場は見通しに沿って推移しており順調だとする一方で、欧州市場については「11年は減少し、12年も回復は見込めないだろう」と述べ、悲観的な見通しを示した。同CEOはまた、フィアットの株価が低迷していることと、イタリアの債務危機に伴い同社が抱える巨額の債務の借り換えコストが増大していることとは「関連がない」とし、増資の可能性についても否定した。
\フィアットの株価は先月、ミラノ株式市場の主要株価指数であるFTSE・MIB指数の構成銘柄の中で最大の落ち込みを記録した。
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