独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は4日、ブラジル事業に2016年までの5年間で34億ユーロを投資する計画を発表した。新モデルの開発や生産能力の拡大に充てる方針で、同国における販売を2014年までに年100万台に引き上げることを目標に掲げる。
\VWは1953年にブラジル子会社を設立。現在は、ブラジル南部のアンシエタ、クリチバ、サン・カルロス、サウバテの4カ所に工場を持つ。従業員数は約2万4,000人で、昨年は82万台以上を生産した。
\VWによると、2010年通期のVWグループのブラジルにおける出荷台数(スカニアを除く)は前年比4.2%増の71万1,523台に拡大した。
\ \■ 欧州自動車メーカー、ブラジルへの投資拡大
\ \欧州の自動車メーカーが相次いでブラジル事業を強化している。米トラック製造大手のパッカーは8月31日、同国パラナ州のポンタ・グロッサにオランダ子会社DAFトラックスの工場を建設する計画を発表した。
\パッカーは新工場の建設に2億ドルを投資する。年内に着工し、2013年に完成する予定。新工場ではDAFの「LF」「CF」「XF」を生産する計画。パッカーによるとブラジルのトラック市場(6トン超)の規模は現在、約17万台。今後大幅な成長が見込まれており、新工場では需要拡大に合わせて最大500人増員する計画を明らかにしている。
\ \■ BMW、サンパウロに工場建設か
\ \5日付の独経済紙『ハンデルスブラット』によると、独高級車メーカーのBMWはサンパウロに工場を建設することを計画している。12月初めに監査役会が同計画を承認する予定という。同社のノルベルト・ライトホーファー社長は5月の株主総会ですでにブラジル工場の建設について検討していることを明らかにしていた。
\同紙によると、サンパウロにはボッシュやコンティネンタル、ZFフリードリヒスハーフェンなどドイツの大手自動車部品メーカーが進出しており、部品調達の環境が整っていることが決め手となった。ブラジル工場で生産するモデルについては今後詰めていくという。
\同紙によると、BMWはブラジル事業の強化により、新興国市場で中国に大きく依存する現状を見直し、バランスを取る狙いもあるもようだ。
\また、ブラジル政府が現地生産する自動車メーカーを関税で優遇する措置を打ち出したことも国外メーカーの生産進出や投資拡大を後押ししている。
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