独電線大手のレオニは4日、中国の山東省済寧市に新工場を開設した。中国の自動車市場向けに配線システム(ワイヤーハーネス)を生産する。投資総額は約2,300万ユーロ。新工場の拡大は需要拡大を受けた措置。同社は中国以外でも新興国を中心に生産能力を増強している。
\中国市場では、同社がすでに製品を供給しているモデルの販売が伸びているほか、新規契約の獲得により、受注が増加している。新工場では年内に、米自動車大手のゼネラルモーターズ(GM)向けを中心に3プロジェクトが始動する予定。
\新工場の生産面積は2万5,000平方メートル以上。従業員数は当初、約1,600人で量産を開始し、中期的に約3,000人に引き上げる計画。
\新工場は上海と北京の中間に位置し、港湾都市の青島へのアクセスも良いため、様々な顧客に製品を迅速かつ確実に供給できる地理理的条件が整う。また、韓国のワイヤーハーネスメーカーDaekyeungとの合弁事業である山東省の2工場(威海市、煙台市蓬莱市)にも近い。Daekyeungとは同2工場の合弁事業を年内に解消し、レオニが来年初めから完全傘下に収めることで合意している。
\レオニは、新工場と合弁工場も含め現在、中国に11工場、従業員数は約6,000人を持つ。同国における今年の売上高は約3億5,000万ユーロとなり、同社にとってドイツ、フランスに次ぐ3番目の市場となっている。
\同社は自動車業界の需要拡大を受けて、生産能力の増強を推し進めている。配線システムでは現在、エジプトに2工場、ウクライナとロシアに各1工場を建設しているほか、ブラジル、メキシコ、モロッコ、チュニジア、セルビアの既存工場では新たな生産棟を建設し、生産能力を増強する計画もある。
\ \■ 2011年通期の業績予想を堅持
\ \レオニは8日発表した2011年第1~3四半期(1~9月)決算で、通期の業績予想を堅持した。売上高で約36億ユーロ(前年:29億6,000万ユーロ)、営業利益(EBIT)で約2億3,000万ユーロ(同:1億3,070万ユーロ)を見込んでいる。
\第1~3四半期の売上高は、27億6,700万ユーロとなり、前年同期に比べ約30%拡大した。主要取引先である乗用車・商用車向けの販売が好調で、特に、米国とBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)市場で販売が伸びているという。9月は月単位の売上高で過去最高を記録した。
\1~9月の営業利益(EBIT)は前年同期比90%増の1億8,360万ユーロ、税引き後利益では1億1,510万ユーロ(前年:4,770万ユーロ)の大幅な増益を確保した。
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