独電線大手のレオニは、上海工場の生産をベトナムに移管することを検討している。同社のウーヴェ・ラマン取締役が独経済紙『ハンデルスブラット』(14日付け)に明らかにした。中国における賃金上昇を受けたもので、同社の配線システム(ワイヤーハーネス)の生産は自動化比率が低い労働集約型であるため、労働コストの負担が大きい、と説明している。
\同取締役によると、同社の中国における労働コストは2011年に14%上昇し、来年はさらに13%上昇する見通しという。同紙によると、独アパレル大手のトム・テイラーはすでに、中国の生産の一部をバングラデシュとインドネシアに移管することを決定した。
\一方、賃金上昇による国民の購買力の向上は、レオニの取引先である自動車メーカーの販売の追い風となり、レオニにとっても受注が増える好循環ももたらす。ハンデルスブラット紙によると、レオニの中国における2011年の売上高は前年実績を1億ユーロ上回る3億5,000万ユーロとなる見通し。2012年はさらに30%の増収を見込んでいる。
\レオニは11月4日に山東省済寧市に新工場を開設したばかり。新工場を含め同社は中国に11工場(合弁工場も含む)、約6,000人の従業員を持つ。
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