米工作機械大手MAGの独子会社MAGヨーロッパ(ゲッピンゲン)は11月22日、米投資会社マックスコアが保有する同社の出資分を信託機関に移管することで合意した。経営体制を刷新し、財務体質を強化するのが狙い。委託を受けた信託機関は、新たな売却先が見つかるまで資本を管理する。MAGヨーロッパの子会社MAGインダストリアル・オートメーション・システムズ(MAG-IAS)が同日、明らかにした。
\同社の最大子会社であるMAG-IASは今年上半期に新規受注高で過去最高の3億990万ユーロを確保したにもかかわらず、通期では営業赤字を計上する見通しとなるなど、経営体質に疑問の声が上がっていた。また、社債発行や銀行からの借入金など有利子負債の割合が増え、自己資本比率が10%まで落ち込んでいた。このため、業界内ではマックコアは債権団からの圧力で出資分を手放することを余儀なくされたとの見方が強い。
\MAGヨーロッパは2005年、マックスコアが独ティッセンクルップ・メタル・カッティング、米シンシナティ・ラム、ギディングス&ルイスなど一連の企業を買収して設立した工作機械製造グループ。自動車、航空宇宙、商用車、重工業、鉄道輸送業界向けの工作機械製造やソリューション開発を手がける。最大の子会社はMAG-IASで、グループ売上高の9割を稼ぎ出している。
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