ベルギーで先ごろ発足した新政権が自動車買い替え奨励制度(スクラップインセンティブ)を12月いっぱいで打ち切ることを決定したことを受け、同国の自動車業界が危機感を強めている。
\ベルギー自動車工業会(FEBIAC)のケーセマンス広報部長は11日発行の『オートモーティブ・ニューズ・ヨーロッパ』紙に掲載されたインタビュー記事の中で、スクラップインセンティブの終了は、欧州債務危機による景気後退懸念で低迷している新車販売に追い討ちをかけるものだと指摘。「インセンティブの打ち切りを前に消費者の駆け込み需要が今月に入って急増しており、今年の新車販売は大きく伸びるだろう。しかし来年はその反動で大きな落ち込みが予想される」と述べた。
\ベルギー政府が2007年に導入したスクラップインセンティブは、二酸化炭素(CO2)排出量が走行距離1キロメートルあたり105グラム以下の新車に買い換える場合に、価格の15%(上限4,680ユーロ)を、CO2排出量が106~115グラムの新車については価格の3%(上限870ユーロ)をそれぞれ補助するという内容。同制度の導入以降、新車販売は08年が53万5,947台、09年が52万4,795台、10年が54万7,347台、今年1~11月が52万3,448台と安定した水準で推移してきた。ただ、同制度に計上された予算は09年の6,600万ユーロから今年は2億2,000万ユーロに膨らんでおり、財政再建を進めるディルポ新政権は打ち切りを決定した。
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