独高級車大手のBMWとゼネラルモーターズ(GM)が提携に向けて協議しているもようだ。独経済誌『ヴィルツシャツボッヘ』によると、BMWはGMの燃料電池車に関する技術を取得する一方、研究開発コストの一部を負担する方向で協議している。交渉は進展しており、2012年1月9~22日に開催される北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)の後にも趣意書を締結する見通しであるという。
\BMWの広報担当者は10日、dpa通信の問い合わせに対し、「将来の技術に関する様々なテーマについてGMと話している」と認めたものの、『ヴィルツシャツボッヘ』誌の報道内容についてはコメントを控えた。
\BMWは量産車メーカーのフォルクスワーゲン(VW)を親会社に持つ競合の独アウディなどと比べると生産規模が小さい。このため、他社との提携により、開発や生産のコスト負担を軽減している。
\欧州2位の販売規模を誇るPSAプジョーシトロエンとはエンジンの共通化で協力してきたほか、今年はハイブリッドシステムの構成部品などを開発・生産する合弁会社を設立した。また、12月初めには、トヨタ自動車とディーゼルエンジンの供給および次世代リチウムイオン電池など環境技術の研究開発で協力すると発表した。
\ドイツメーカーではダイムラーが燃料電池車の開発に注力する一方、BMWは水素燃料で内燃エンジンを動かす水素燃料自動車の開発を重視してきた。独経済紙『ハンデルスブラット』によると、同社は2006~2009年に「7シリーズ」をベースとする水素自動車「Hydrogen 7」約100台を特定のユーザーにレンタル方式で試験的に市場投入している。しかし、水素燃料タンクの開発に課題が残るほか、水素燃料を供給するインフラが不足するなどの問題から、開発の重点を電気自動車にシフトした経緯がある。
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