欧州自動車産業情報、メーカーの動向、最新技術の情報を配信

2014/12/5

クローズアップ

CAMISMA

この記事の要約

ドイツ連邦教育研究省が支援する自動車シートの軽量化に関する研究プロジェクト。乗員の背中を支えるシート背面部(シートバック)の重量を、従来の金属フレームを使用した製品に比べ40%以上軽量化するとともに、生産コストを抑える研 […]

ドイツ連邦教育研究省が支援する自動車シートの軽量化に関する研究プロジェクト。乗員の背中を支えるシート背面部(シートバック)の重量を、従来の金属フレームを使用した製品に比べ40%以上軽量化するとともに、生産コストを抑える研究に取り組んでいる。

同プロジェクトには、自動車部品大手のジョンソンコントロールズ、化学大手のエボニック・インダストリーズ、炭素繊維メーカーの東邦テナックス・ヨーロッパ、樹脂加工技術の開発会社HBWグベッシュ、アーヘン工科大学(RWTH)が参加している。

炭素繊維複合材(CFRP)は強度に優れ、成形の自由度が高いなどの利点がある一方、価格が高く、生産工程に時間がかかるため、量産モデルに採用するにはコストが高くなる難点がある。また、シートアジャスターなどの金属部品をシートフレームに組み込む技術の開発も課題となっていた。

2011年にスタートした同プロジェクトではこれらの課題に対応するため、鋼鉄、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維不織布(Carbonvlies)、炭素フィラメント製テープの4つの材料を組み合わせたマルチマテリアルシステムの開発に注力したほか、様々な機能を統合し、組み立て作業を簡易化する研究に取り組み、軽量かつコスト面でも従来の金属製フレームを使用した製品に対抗できるような製品の開発を目指した。

2014年9月には、研究チームが開発したプロトタイプを使って実施した後面衝突試験で十分な強度が確認された。同プロジェクトでは、2019年式モデルから同シートバックを実用化できると見込んでいる。

COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |