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2015/10/9

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City2.e 2.0

この記事の要約

都市部におけるスマート・パーキング・ソリューションの開発に取り組むプロジェクト。ドイツ連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)が支援しており、電機大手のシーメンスが調整役を務める。 プロジェクトチームは、センサ […]

都市部におけるスマート・パーキング・ソリューションの開発に取り組むプロジェクト。ドイツ連邦環境・自然保護・建設・原子炉安全省(BMUB)が支援しており、電機大手のシーメンスが調整役を務める。

プロジェクトチームは、センサーや情報通信(IT)技術を活用し、ドライバーが容易に駐車場を見つけることができる支援システムの開発に取り組む。電気自動車などで駐車中に充電したい場合は、充電設備付きの駐車スペースを探すこともできる。

このようなシステムの実用化は、都市部における大気汚染や騒音などの低減に寄与するとともに、電気自動車の利用者の快適性が向上し普及を促進する効果あると見られている。

実施期間は2014年1月1日~2015年12月31日まで。シーメンスのほか、ベルリン州・都市開発・環境局(SenStadtUm)、ベルリン交通管理センター(VMZ)、気候保護・エネルギー・モビリティ研究所(IKEM)、ドイツ人工知能研究所(DFKI)が参加している。

プロジェクトチームはこのほど、ベルリンのフリーデナウ地域にある道路の250メールの区間を使って当該システムのパイロットプロジェクトを開始した。

約30メートルの範囲(縦列駐車の車両で約6~8台分)を検知できるセンサーを街灯10本に設置し、合計で約50~70台分の駐車スペースを確保できるようにした。センサーは街灯の照明に近い場所やマストに設置することができるほか、建物の外壁に設置することも可能という。

センサーが検知した情報はベルリン交通管理センター(VMZ)に送信される。ドライバーは同センターの情報をスマートフォンやカーナビ機器、駐車場の案内プレートなどを通して知ることができる。

同システムは、時間帯や曜日などによって典型的な駐車場の利用パターンがあることを学習し、駐車場の空き具合の予測に活用する仕組みという。

また、気候保護・エネルギー・モビリティ研究所(IKEM)は、同システムを法的および経済的な観点から分析し、資金面や法律の観点から長期的に運営が可能な事業モデルを研究する役割を担っている。

パイロットプロジェクトの試験結果は2016年にまとめられる予定。

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