独高級スポーツカーメーカー、ポルシェの「ポルシェ991」のデザイナーとして一躍、世界に名を馳せた。その後、「ポルシェデザイン」ブランドで時計、眼鏡、筆記用具などのメンズ用アクセサリーも手がけ、さらに、「Design by F.A. ポルシェ」のブランドで工業製品、家庭用品、消費財もデザインした。フェルディナンド・ポルシェの孫でもある。1935年12月11日にシュツットガルトで生まれ、2012年4月5日にオーストリアのザルツブルクで逝去した。享年76才であった。
\ \フェルディナンド・アレクサンダー・ ポルシェ氏は子供のころに祖父であるフェルディナンド・ポルシェの設計事務所や工場で過ごした経験から自動車に慣れ親しんでいたという。ドイツのウルム造形大学を卒業後、1958年にポルシェに入社した同氏は1962年に同社のデザインスタジオの責任者となり、翌63年に「ポルシェ901(ポルシェ911)」のデザインにより、その名を世界にとどろかせた。同モデルは現在も7代目が生産されている。
\1971~1972年にポルシェが株式会社化されたのを機に、同氏はその他の家族と一緒にポルシェから退いた。その後すぐ、1972年に「ポルシェデザインスタジオ」を設立し、メンズ用アクセサリー、工業製品、家庭用品など幅広い分野のデザインを手がけた。
\ \「良いデザインは率直であるべきである」というのがフェルディナンド・アレクサンダー・ ポルシェ氏の信念であったという。「デザインは機能的でなければならず、機能性は視覚的に美しい形をとらなければならない。説明しないと分からない冗談は不要である」という言葉に現れているように、一目で理解できるようなデザイン、また、製品や機能に自然と意識を集中させるようなデザインを追求したとされている。
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