欧州自動車産業情報、メーカーの動向、最新技術の情報を配信

2014/9/19

クローズアップ

PRORETA 3

この記事の要約

ドイツのダルムシュタット工科大学と独自動車部品大手のコンティネンタルが2002年から実施している交通事故防止のための運転支援システム開発プロジェクト。9月11日には、第3プロジェクトとなる「PRORETA 3 」の研究成 […]

ドイツのダルムシュタット工科大学と独自動車部品大手のコンティネンタルが2002年から実施している交通事故防止のための運転支援システム開発プロジェクト。9月11日には、第3プロジェクトとなる「PRORETA 3 」の研究成果をダルムシュタット近郊の空港跡地で発表した。プロジェクト名はローマ時代の航海で浅瀬やその他の危険を船長に知らせる見張り役「PRORETA」にちなんで名づけられた。

第3プロジェクトでは、個々の運転支援システムを連携させた総合的なシステムの開発を目指した。また、ドライバーの注意を自然に促すような情報伝達や警告システムの開発にも取り組んだ。

今回開発したシステムは、コックピットのディスプレーに車を囲む繭のようなスペースが表示されており、危険が発生するとその繭の一部が欠けるため、ドライバーはどの方向に危険が発生しているかを直ちに認識することができる。また、車内に設置したカメラで常にドライバーの視線を観察し、視線の方向に応じて適切な照明や警告音でドライバーの注意を促すシステムも開発した。

このほか、ドライバーは希望に応じて車線変更や交差点での右折左折を自動運転に切り替えることができる。自動運転にしたい場合はウィンカーのようなハンドルで機能をオンにすれば良いという。

第3プロジェクトの実施期間は3年半で2011年4月にスタート。フォルクスワーゲン(VW)「パサートCC」をベースにプロトタイプを開発した。

第1プロジェクト(2002~2006年)では、緊急ブレーキおよび障害物を緊急回避するためのシステムを開発。VW「ゴルフ」を使用した。

第2プロジェクト(2006~2009年)は、追い越しの運転支援システムを開発し、反対方向からくる車両との事故を防止するシステムの研究などに取り組んだ。第2プロジェクトではBMW「540i」をベースにプロトタイプを開発した。

ダルムシュタット大学とコンティネンタルは第4プロジェクトの実施も検討しているという。

企業情報 - 部品メーカー
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |